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当ブログはJ-WAVEの「GROOVE LINE」内でピストン西沢氏にごく一瞬紹介されました。まぁ素敵。


by travelers-high
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心霊体験

げへへへへ。
今日は怖いよ。

それを見たのは私がまだ少年だった頃の話、暑い夏がようやく去る気配を見せはじめた八月のおわりのことだった。
西の山に日は落ち、生ぬるい風が家の周りを鮮度の悪いイカのようにぐんにゃりと流れていた。当時の我が家は二階建てで、そこそこの部屋数があり、夜になると窓の数だけカーテンを閉めて回る必要があった。男も家事をこなすのが家風の我が家は、各々がそれぞれの役割を持ち、暗黙のルールにしたがって仕事をこなしていたのだが、カーテン閉めは末っ子の私に与えられた家事のひとつだった。

一階のカーテンを全て閉めてから二階にとりかかるのが常であったので、その日もその私的なマニュアルに従い、まずは一階の窓からバタバタと仕事にかかった。
一階のカーテンを全て閉め、階段を駆け上がって二階に着手、そーれ、まずは俺の部屋からカーテンを閉めてやるぜい。
自宅が中学校の側だったので、東側にある私の部屋は校庭を見下ろす位置にある。私は勢い良く部屋のドアをあけて学校が見える東側の窓の前に立った、部屋はもう暗かった。
窓から見える外は黒と紫の絵の具を練ったような色で塗りつぶされ、見慣れた風景もねっとりと嫌味なテイストで味付けされていた。私は窓越しに闇を覗いたが、闇は外から私を見つめ返し、ぬるぬると窓を通り抜けて部屋に流れ込んでいた。

早く閉めよう、カーテンは家の光を少しでも外に漏らさぬようにする道具だ、闇を家に入れないための盾なのである。
私は両腕を広げ、左右から同時にカーテンを閉めようとした、その時、
うすぼんやりとした人型の白い物体が、目の前を右から左へとゆっくり通り過ぎた。

何?何?今の何?ひひ、ひ・・と、人、と、なな、ぬ・・・。
何が起こったのか、何を見たのか、さっぱり分からなかった。ただ、私は腰が抜けてその場にへたり込んでしまった。

これは人生でも何度と無い心霊体験の話だ。
もし、私に「オバケ見たことある?」と聞いたら、三回に一回くらいはこの話をするだろう。
# by travelers-high | 2008-01-09 20:25 | 幻想絵巻

伝説の蝶を求めて

昔話ブログというのも面白いかも。

小五か、小五の時だ。

小学校五年生の夏休み明け、課題であった自由研究を提出した。
それはかつて無い出来栄えの、いわば会心といえる程にクオリティの高い自由研究だった。正に宝石箱、美しい蝶の標本だった。
夏の初めに岐阜市内の博物館が行うセミナーで標本の作り方を学び、虫取り用のタモを握り締めた私は、家の周囲から手当たり次第に蝶の捕獲を開始した。
伝説の蝶を求めて、遠く息吹山まで足を伸ばした。

映画に出てくる富豪の外人は時折動物の首を部屋に飾るが、狩った獲物を陳列すると言う意味では、同じ感覚が日本人小学生の自由研究には秘められていた。
虫取りはまさにハンティング、俺は狩人の血が騒いだ。蝶と名がつけばネクタイも容赦しなかった。ネクタイを捕まえて息の根を止めた。

それまで夏休みの課題に高いモチベーションを感じなかった為、当然周囲の評価もおおむね低かったのだが、私はその評価の低さにすら興味を持たなかった。
しかしその年のそれは努力の甲斐あって、おこがましくも「作品」と呼んでもいいような完成度の蝶の標本が出来上がったのである。

その後の三者面談で担任は、
「まさかAZU君があんなものを作れるとは思いませんでした。」
と母に言った。
誉めてるようで全然誉めてない。
今でもいまいましい。

それだけの話。何となく記憶の断片を文字におこしてみました。
今じゃ虫なんかあえて触りたいとは思いません。

以上。
# by travelers-high | 2008-01-08 21:47 | 幻想絵巻

どうぶつえん

昔話でもしようか。

私は保育園に通っていた。実家の近所の公立の、ものすごく普通のごく当たり前な保育園に通っていた。小さなプールがあることが自慢のような、小さな小さな保育園。
私はそこに一時期通った後に、退園している。
記憶には無い、実のところその保育園に通っていた記憶そのものが無い。当時のことを知る母は、退園の原因を「アンタが先生と問題をおこした」のだと言う。
母の証言は具体性に欠けているので、実際に何があったのかはわからない。が、どうやら反抗的な態度が先生に嫌われたらしく、私は保育園に居場所をなくしたらしい。

私の登園拒否は、母を遊びに誘うものだった。
「ねえ、おかあさん、どうぶつえんいこう」
平日の朝イチに突然そう言ったらしい。
母はそれで感付いたそうだ、
我が息子は保育園で面倒なことになっていると。

すったもんだして結局転園して落ち着いたそうだが、更にその後の人生の落ち着きの無さ、30歳になった今でもあまり変わっていない。この「登園拒否→転園」という事件は、私の個人的な歴史においてその後の行動を予見するメモリアルな出来事だといえる。

「平日の朝に動物園に行きたくなる」という感覚を、今でも覚えるときがある。
全部ほっぽらかして、キリンやゾウのかっこよさを見に行きたくなる。
私はかっこいいものが好きだ。好きなのだ。
わはははは。

以上。
# by travelers-high | 2008-01-05 21:51 | 幻想絵巻

公募系(3)

花粉自動測定・予報システムの愛称募集(公募期間終了)

○募集内容 東京都では、花粉自動測定器を用いて、スギ・ヒノキ科花粉などの飛散情報を1時間単位で提供する「花粉自動測定・予報システム」の愛称を募集。親しみやすく、覚えやすいものを。
○賞 最優秀賞1点・記念品

(案)
・花粉刑事(カフンデカ)
・粉見鶏(コナミドリ)
・クシャミン
・アレルギーJr.
・毒ガス太郎

今月の公募ガイド買わなきゃな~。
元旦からこっち、キュウリが絶好調に実をならすので仕事が多い。
嬉しい悲鳴をあげたりさげたり。
# by travelers-high | 2008-01-04 21:36 | 幻想絵巻

Rord  To Kinkajima

「島へ」が止まっている。書かなきゃ。

(前回までのあらすじ)
主人公は「大垣 室」、おおがきむろと読む。むろは母親の故郷である「金華島」へ飛んだ、南九州の小島である。しかし飛行機の中でむろは突然のめまいと共に卒倒、そしてその時むろはキンモクセイの香りがする女に荒っぽく介抱される、末森美幸だった。そしてそのままむろは気絶するのである。
気が付くとむろは金華島にある古びた空港の待合室の床に転がされていた。美幸もそこにいた。不可解な行動をする美幸に面食らいながらも、とりあえず介抱をしてくれた御礼にむろは晩飯をおごることにした。
二人で空港の外に出るとすでに夕暮れ、しかも不穏な動きをするタクシーに遭遇。筋肉ハゲのタクシードライバー「キムラ」の登場だ。鬼村と書いてキムラ、しかしキムラは優しかった。二人を集落まで乗せると、情報通のママがいるというスナック「キッズ・リターン」へ導いたのである。

こんなものだろうか・・・、しかし本当に続くのか?これ。
# by travelers-high | 2008-01-03 20:40 | 幻想絵巻