プロローグ(4)
2005年 12月 14日
運良く受かった大学に何となく通い、出席が足りずに留年、退学。生活費を稼ぐ為だけのバイトを転々としながら、新時代の幕開けの日に去年の皿を今年洗っている。俺は何がしたいのだろう、俺は何がしたかったのだろう、俺はひたすらゴシゴシと皿を洗った。
冷たかった水が温かく感じ始める頃、表から聞きなれたカブの音がした、フサがダイエーから帰ってきたのだろう。「ただいまー!いやー、どいつもこいつもヒマだからって買い物きやがって、レジが長蛇の列、おっ、洗ってるねー!ザッツ・ラィーーッ!!」
この男の口癖は「that's right」、最初その雄叫びを聞いたときはビックリして尿がもれそうになったが、聞き慣れるとだんだんどうでもよくなる。
「今日は何鍋なん?」
「き・む・ちー、チゲッすよ、チゲ。ハムニダー!!」
この男は英語の他にハングルも使えるようだ。
「ハムニダーー!!あ、もう飲んでる、フライングですよー。ダメだなぁ。ラィーー!!うふー・・・。発泡酒か、たまには本物のキリンとか飲みたいっすよね、泡の立ち方が全然違いますよね、本物はー。でも仕方ないっすよね、高いですもんね、俺も飲も。」
フサは両手に下げたデカいサイズの買い物袋をドスッと床に下ろすと、ヤツにとっての右手側の袋からズシリと重みのあるロング缶を取り出し、嬉しそうな顔をしてタブを開けた。カブによる陸送の最中にだいぶ振られたと見えて、白い泡がフサの指から景気良く爆ぜる、二人でフライング、これから始まる鍋の楽しい予感を二人とも感じていた。
冷たかった水が温かく感じ始める頃、表から聞きなれたカブの音がした、フサがダイエーから帰ってきたのだろう。「ただいまー!いやー、どいつもこいつもヒマだからって買い物きやがって、レジが長蛇の列、おっ、洗ってるねー!ザッツ・ラィーーッ!!」
この男の口癖は「that's right」、最初その雄叫びを聞いたときはビックリして尿がもれそうになったが、聞き慣れるとだんだんどうでもよくなる。
「今日は何鍋なん?」
「き・む・ちー、チゲッすよ、チゲ。ハムニダー!!」
この男は英語の他にハングルも使えるようだ。
「ハムニダーー!!あ、もう飲んでる、フライングですよー。ダメだなぁ。ラィーー!!うふー・・・。発泡酒か、たまには本物のキリンとか飲みたいっすよね、泡の立ち方が全然違いますよね、本物はー。でも仕方ないっすよね、高いですもんね、俺も飲も。」
フサは両手に下げたデカいサイズの買い物袋をドスッと床に下ろすと、ヤツにとっての右手側の袋からズシリと重みのあるロング缶を取り出し、嬉しそうな顔をしてタブを開けた。カブによる陸送の最中にだいぶ振られたと見えて、白い泡がフサの指から景気良く爆ぜる、二人でフライング、これから始まる鍋の楽しい予感を二人とも感じていた。
by travelers-high
| 2005-12-14 18:18
| 「D2」